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岩波労組、会社に対する金への弾圧扇動をエスカレートさせる 

1.

前回記事(「岩波書店労働組合員、会社に対して私への弾圧を扇動」)で、 岩波書店労働組合員(岩波労組)が会社に対して、私および首都圏労働組合への弾圧を扇動している事実を記したが、この傾向が、このところますますヒートアップしている。集団ヒステリー状態とでも言った方がよいかもしれない。それらの内容は、Mの文章のそれとの類似が顕著であり、岩波労組員の間に、ある「空気」が存在していることを示している。確認のために、まず、Mの文章を再引用しておこう(強調は引用者、以下同じ)。


「 この厳しい時期、社内一丸となって状況を乗り切り、持続可能な会社を作っていこうとするとき、今より悪い体制の提案や社員が希望を失うような案を出して、「人員政策上仕方がない」などと言わないでいただきたい。

 そもそも人員政策とか、労務政策とかに関しては、会社が何を言おうとあまり説得力がない。何の罪もない、誰にも迷惑をかけていない、それどころかみんなから信頼されている組合員(図書室員)を「有期間雇用」を理由に切ろうとするくせに、一方で会社は大きな問題を放置しているのではないか。残業問題にしても、これまでいわば組合との信義のなかで業務が成り立ってきたというのに、その信義を尊重して、これを機に労使で丁寧に協議してよりよい体制を作ろうという姿勢はまるで見えなかった。全社員に関わる社員の安全や信義に基づく情報の安全の不安には、穏便路線で対応し、非正規雇用の組合員には、「期間雇用のカベ」を行使する。こんな強気(金注・ママ)に易し、弱い者に不利益を与えるという岩波書店の理念を踏みにじる、あるいは労使慣行的にも変則的な仕打ちをすることを、絶対に許すことはできない。


ここでMが、会社が弾圧すべきだとしている対象が、私および首都圏労働組合以外ではあり得ないことについては、前回記事の「(注)」で示したので繰り返さない。

このことを念頭に置いた上で、9月22日に社内中に配布された(ただし、私には「無断引用するから」との理由で配布されていない。それでいて、岩波労組は私の脱退を認めず、私を「岩波書店労働組合員」だとして、組合費を払うよう請求しているのであるが)、「岩波書店労働組合2010秋年末闘争アンケート集計結果」(回答総数47件、うち編集局22件。以下、「アンケート結果」と略。)を見ることにしよう。

アンケート結果には、「1.いま会社に言いたいことは何ですか。自由にお書きください。」なる設問への組合員の意見が掲載されている(すべて匿名)。このうち、いくつかを引用しておこう(以下、強調は引用者)。

今回のアンケート結果で特徴的なのは、私および首都圏労働組合に関する言及が、多く見られることである。


「・○氏のブログに毅然とした態度で対処してほしい。」

「・残業代が出る人がいるの?はぁ!?社長の指導力がみじんも感じられない。(大丈夫?)(こまかいことを書いている時間がない)」

「・社長を変えて下さい。こんな決断力のない、ヤクザみたいな男に弱い社長では、私たちは信頼してついていくことができません!」

「・この間の社内の混乱の責任をとるべき。人数が多すぎる。この社の性格の理解がない。法務担当役員は即刻退任しろ。」

「・会社については、別個の組合を主張している個人と、話し合いを進めているといったことに、強く不信感をもちました。会社側が複数の組合の存在を認めていると考えざるをえませんが、当組合がそれを会社に正式に確認しないのかも疑問に思います。会社が複数の組合の存在を認めているのならば、たなざらしになっている脱退問題にも大きく関わると思います。」


要するに、私および首都圏労働組合への会社(社長)の対応は生ぬるすぎる、もっと断固とした措置をとれ、と煽っているのである。ある人物など、私のことを「ヤクザみたいな男」とまで罵っている。魯迅の「暴君の治下の臣民は、たいてい暴君よりももっと暴である」という言葉の正しさを改めて確認させてくれる(会社が私に対して「穏便路線」をとっているなどという主張自体が、会社に対して弾圧をけしかけるための岩波労組のレッテル貼りおよび極めて悪質なデマ以外の何者でもないことについては、前回記事参照)。

こうした人々の陋劣さは度を超えているので、何から言っていいか迷うが、まず、労働組合(員)が、社員の言論活動や他の労働組合の活動に対して、弾圧を会社に要請するということ自体が異常である。これが異常であるとの感覚が、岩波労組の組合員(特にこのアンケート結果を配布する岩波労組執行委員会)に欠如していることに、改めて驚かざるを得ない。「労使一体」が極限まで進んだ会社の多数派組合にしか生じない発想であろう。

ある組合員にいたっては、上のように、私のことを「ヤクザみたいな男」とまで罵っている(念のためだが、これは佐藤優ではありえない。仮に佐藤ならば、山口社長と佐藤は親しいのだから、「決断力」云々は意味が通らない。「岩波書店代表取締役社長・山口昭男氏と佐藤優」参照 )。だが、それを言うならば、200人近くの人数で、私一人に対する誹謗文書を社内中に配布するなどしておきながら、それへの反論権を与えず、ウェブ上で私が反論すると「無断引用」などとしてより一層酷い中傷を展開する岩波労組の方がはるかに「ヤクザみたい」という形容にふさわしいだろう。岩波労組は、特定の個人に対するここまで酷い中傷表現を、社内中に配布して平然としているのである。

私の見聞によれば、(ブログ炎上も含めて)集団狂気の場合、漫画やドラマでは必ず「これはさすがに酷すぎるんじゃないか」とか「これは却って自分たちの評判を落とすからまずい」とか言って見直しを提唱する人間が出てくるが、現実の集団狂気の場合にはそういう人物は滅多に登場しない。


2.

しかも、これらに関する岩波労組執行委員会の説明は、さらに私を驚愕させるものだった。私は渡辺尚人・岩波労組委員長および山田まり・執行委員に、組合文書の「無断引用」に関して呼び出されて注意を受けたので、2度目に呼び出された際(9月24日)に、Mの文章やアンケート結果にある、私および首都圏労働組合への弾圧要請の件について執行委員会はどう考えているのか尋ねたのだが、渡辺委員長および山田委員によれば、


・金が「弾圧を扇動している」などと言っているM氏の文章の該当箇所は、そもそも何を言っているのか自分たちは分からない。M氏は特定の個人や団体を挙げているわけではないし、これを読んだ岩波労組員が、M氏が金や首都圏労働組合について語っていると受け取るとは思えない。

「ヤクザみたいな男」という表現も、金を指しているとは自分たちは思わなかったし、これを読む岩波労組員もそうは思わないだろう。誰を指して言っているかは全く分からない。(注・私が、「もし「ヤクザみたいな男」という表現が具体的に金を指した表現として使われていれば、掲載しなかったのか」と聞いたのに対し)金だと分かる形で使われていれば、表現としては良くないから、この回答は掲載しなかったかもしれないけれど、そうではないので、掲載したことに何ら問題はない。

・「○氏のブログに毅然とした態度で対処してほしい。」という回答は、確かにこれは金のブログについて言及したものだが(注・原文では「K氏」となっていたとのこと)、金が言うように、金や首都圏労働組合のブログの制限や閉鎖等を会社に求めたものではないし、これを読んだ岩波労組員もそのように受け取ることはないだろう。「毅然とした態度で対処してほしい」としか言っていないのであって、会社に対して具体的にどうこうせよと言っているのではない。弾圧を会社に要請しているものであるはずもない。


渡辺委員長らは、要するに、会社に対して私および首都圏労働組合への弾圧を扇動する文書を配布し、その中で私への度を超えた誹謗中傷発言すら掲載しておきながら、自分たちはそんなことはやっていない、責任はない、などと言い逃れしているのである。どこまで卑怯なのだろうか。小学生ですらここまで馬鹿げた、白々しい言い逃れはしないだろう。こういうことが平気でできる人間が、委員長および執行委員たちなのである。

しかも、渡辺委員長らは、9月9日の私への抗議文書で、私の「無断引用」が「岩波書店労働組合に結集する組合員が団結し団体交渉その他の団体行動をすることの妨げとなります」と主張している。要するに、会社に私および首都圏労働組合への弾圧を煽る一方で、自分たちの組合の団結権等は尊重せよ、と主張しているのである。自分で何を主張しているのか理解しているのだろうか。

私はこのアンケート結果をある組合員に教えられて、そのあまりの酷さに驚いたのだが、この組合員が教えてくれなければ私は知らないままだったかもしれない。岩波労組は、私には一切知らせないまま、このような文書を社内中に配布しているのである。私は渡辺委員長に問い正し、概略以下のようなやりとりを行なった。

私「組合文書を私に配布しないといっても、私個人に対して批判している文章については一部渡すべきでしょう」

渡辺「いや、渡す必要はない」

私「批判の相手から請求があれば、渡すのは出版界の常識ですよね?ましてやこれは無料で社内中に配布しているわけでしょう」

渡辺「岩波労組は出版社ではないので、それに従う必要はない」

ここまで言われては返す言葉もないが、もう岩波労組は、「出版労働者として」とか「岩波書店という出版社の組合員として」といった言葉を使うのはやめるべきであろう。

岩波労組は、自分たちが私に対して行なっている組合文書での批判・中傷に関して、同等の媒体および配布形態で私の反論掲載を保証する(私は岩波労組に対して、異論があれば、反論を送ってくれば原則としてそのままブログ上に掲載することはこれまで何度も述べてきている)どころか、「金から反論を送ってこられても、組合文書にそれを掲載するかは執行委員会でその都度検討するのであって、掲載は保証できない」(渡辺委員長)という態度を崩していない。それでいて、ウェブ上で私が反論することに関しては「無断引用」などと抗議してくるのであるから、言論封殺以外の何物でもあるまい。

また、渡辺委員長や山田委員のこの態度は、佐藤優を積極的に使う岩波書店社員たちの(私が知る限りでの)弁明と酷似している。彼ら・彼女らは、佐藤を岩波が起用することの社会的(悪)影響など存在するはずもないし、岩波書店はそのようなものを考慮する必要などない、例えば野中広務が登場するのと何ら変わらない、などと、その場限りでしか通用しない答弁を(しかも集団で統一見解のごとく)まくしたてるが、他人の足を明確に踏みつけておいて、自分たちには責任がない、悪意もない、とする姿勢は、この渡辺委員や山田委員の姿勢と完全に同じである。


3.

また、アンケート結果で目立つのは、会社としての「一体感」「社内一丸」の必要性を強調する主張である。上で見たように、Mの文章にも、「この厳しい時期、社内一丸となって状況を乗り切り、」との一節があった。異分子としての私および首都圏労働組合の弾圧、という含意もありそうである。


「・会社組織としての求心力、一体感といったものを感じさせてほしい。と言うより、そういった取り組みが必要だという意識が欠落していないか?」

「・社員、現場の状況と気持ち(意欲、疑問、不満、アイデアetc)を汲みとった、真の全社一丸をめざしてほしい。図書室員雇い止め提案の件で、これほどに、皆が結集したことをきちんと受けとめ、正しい、納得のできることならば、これほどに集中力のある社員の集まりであることを踏まえて、正しい、納得のできるリーダーシップを発揮してほしい。」

「・これからますます経営財政がきびしくなると思われる。いい企画を生み出すためにも、売上を少しでも上げるためにも、編集・営業他全職場で一丸となった努力・創意工夫が必要である。そのためにも、働いている人を大切にする、職場環境を悪くしないことを会社に強く望みたい。」


「一億火の玉」みたいである。そのうち「非国民」とか言いだしそうだ。岩波労組員たちが、危機意識の下、カルト宗教の信者のようになりつつあることを示している。

アンケート結果には、以下のような回答すらある。


「・○氏への時間外手当支払いについて会社が合意したことは(お上に過剰に従順な経営についてはここでは触れない)、○氏がブログで書くまで組合は2ヶ月も知りえなかった。」


この組合員は、会社が私に対して時間外手当を支払うと述べたことについて、「お上に過剰に従順」と捉えているようだ。だが、そもそも労働者による未払い賃金の請求に対して、強腰で臨むべきと労働組合員が主張していること自体、この岩波労組員の感覚がどれだけ異常であるかをよく示している。また、労基署から指導があった場合、過去2年分の未払い残業代を支払う義務があることは常識であろう。悪質な場合、経営者の逮捕にもなりうるのであって、経営側が労基署に書類送検されたとの報道は珍しくない。逆に言えば、岩波書店においては、それだけ異常な状態が数十年にわたって続いていたのである。この組合員は役員たちに逮捕や書類送検のリスクを犯させたいのだろうか。

今回のアンケート結果およびその配布およびその後の対応は、岩波労組が集団として正気を失っていること、自分たちの今後への危機感が強まっていることをよく示している。危機の打開策としては、会社を扇動して私を排除し、会社としての一体性(労使一体)を回復する、というものらしいが、こんな方策しか思いつけない連中の作る本が、彼ら・彼女らの陋劣さや卑屈さを反映していないかと恐れるのみである。

最後に、アンケート結果で、相対的にまともそうな見解を一つ挙げておく。


「1.業務改善のための抜本的な経営戦略、経営計画をお示しいただきたい。既にある経営計画を拝見しても、「今まで以上に頑張る、努力する」程度の非常に抽象的な計画で、精神面での努力目標を示したに過ぎないように思われる。具体的かつ抜本的な経営計画の発信をお願いしたい。

2.会社の業績を犠牲にしてでも、今の伝統的な社内風土や企業体質を今後も断固維持し続けるという雰囲気を業務上のあらゆる局面において感じるが、明確にそうした経営方針があるのなら、きちんとそう発信していただきたい。私としてはそうは思いたくないが、もしそうなら、あまり長くこの会社にいるのは不安かつ危険であり、こちらも生活がかかっているため(そして年齢もあるため)、早急に新たな転職先を見つける必要がある。

(中略)

4.勤務管理にタイムカードを導入したことは、企業体質改善の第一歩として評価できる。」


岩波労組は、私や首都圏労働組合に関する陋劣としか言いようがない弾圧要請を即刻やめ、弾圧要請と誹謗中傷の文書を社内中に配布していることを私に謝罪すべきである。また、岩波労組が本心から経営状況に危機感を持っているならば、「社内一丸」やら「会社としての真の一体感」といった無内容なスローガンを唱えたり私の弾圧を会社に扇動したりするのではなく、上のようなごく当然の(最低限でしかないが)現実認識のもとで、再出発すべきであろう。

(金光翔)
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[ 2010/09/27 00:00 ] 未分類 | トラックバック(-) | コメント(-)


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