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岩波書店、社員の『週刊新潮』への密告を容認 

『週刊新潮』の記事の第一通報者が岩波書店社員であったこと、また、この社員の紹介により別の「岩波書店組合関係者」が取材に協力していたことが、前回3月18日の第6回口頭弁論で明らかになった次第は、既に記した。そこでも記したが、これまで株式会社岩波書店は、『週刊新潮』の記事中で私への誹謗中傷を行なっている「岩波関係者」が、岩波書店社員を指していると言えるかは分からない、などと主張してきていたのであるから、これにより、その前提が崩れたことになる。

そこで私は、18日夕方、小松代和夫総務部長(取締役)に、被告準備書面(4)・「岩波書店関係者」への『週刊新潮』による取材記録(乙10号証)を添付して、「申入書」を提出した(強調は引用者)。「申入書」では、被告新潮社が、『週刊新潮』の記事は岩波書店社員が通報してきたものであると主張している旨を指摘した上で、いくつかの質問を行なった。以下、抜粋する(強調は引用者)。


< 2007年12月5日に、私は山口社長より、「口頭による厳重注意」を受けましたが、その際に私は、「『週刊新潮』の記事には、岩波書店社員による、私の名誉を毀損する虚偽も含んだ発言(なお、同発言によって私の名誉が毀損されている事実は、被告側も認めている)、および、同社員による、私の個人情報を暴露する発言が掲載されている。また、この証言においては、その真偽はさておき、人事の決定等に関する機密事項も述べられている。この証言は、社員である私の名誉を毀損しており、また、会社の機密情報をも漏洩しているものであるから、会社として、そのような証言を行った社員を調査する必要があると考えていないのか、見解をお伺いしたい」旨を述べました。

 これに対して、山口社長および、同席していた宮部信明常務取締役(当時は取締役)は、以下の二点の理由から、調査は行わない、と回答されました。

①『週刊新潮』記事中には、証言を行った者は「岩波関係者」とある。「岩波関係者」が岩波書店社員を指しているか、岩波書店の著者を指しているかはわからない。「関係者」というのは広い概念である。調べようがない。

②仮に岩波書店社員であったとしても、社員が取材に応じるのは自由である。


なお、②は、この日までの私とのやりとりの中で、宮部常務が発言されていたものであり、12月5日の席上で私が、宮部常務がこれまで②の発言を行っていたことを指摘した際にも、宮部常務が発言した行為および発言内容の妥当性を否定されなかったので、①に加えて「理由」とした次第です。>


< 山口社長および宮部常務が2007年12月5日に発言された、上記①②の理由は、否定されたことになります。

 一社員について、虚偽を含んだ名誉を毀損する発言、および個人情報を、社員が週刊誌に暴露したとしても何ら問題とされないという事態は、それ自体が不当であるとともに、このような事態を再発させる可能性をもたらしていると言えます。このような環境では、安心して仕事を行うことができません。

 したがって、私は株式会社岩波書店に対し、以下の措置を執ることを求めます。

一、上記証言者二名は誰か、調査し、その結果を私に伝えること。

一、岩波書店社員二名が、金の名誉を毀損する発言および個人情報を漏らす発言を『週刊新潮』編集部に対して行っている事実、およびそうした事実に対して会社が遺憾の意を持っていることを岩波書店社内に周知徹底させること。

一、社員が、別の社員の名誉を毀損する発言および個人情報を暴露する発言を、週刊誌等の外部のメディアに行うことへの具体的な再発防止措置を執ること。

また、上記2007年12月5日の席上において、宮部常務は、『週刊新潮』編集部への抗議は、「会社に被害があるならば考える」と述べられています。これに対し私が、「私には被害が出ていますが」と述べたところ、「あなたは一市民として論文を発表したと言っておきながら、それが引き起こした問題について、会社に抗議するべきではないかと言うのは非常に遺憾だと思う」と回答されています。今回明らかになった事実と関連するものなので、これらの発言についても、以下の諸点について、株式会社岩波書店が私に対して見解を明らかにすることを求めます。

一、宮部常務は「会社に被害があるならば考える」と発言しているが、他方でそれまでの私とのや りとりにおいては、私の論文によって被った会社の不利益の一例として、『週刊新潮』の記事を挙げている。上記発言において、宮部常務が、『週刊新潮』の記事を私の論文が「引き起こした問題」と捉えていることも同様である。この両者の見解は明らかに矛盾している。『週刊新潮』の記事は会社に被害を与えたものと認識しているのか、見解を明らかにされたい。

一、宮部常務は「あなたは一市民として論文を発表したと言っておきながら、それが引き起こした問題について、会社に抗議するべきではないかと言うのは非常に遺憾だと思う」と述べているから、『週刊新潮』編集部への抗議を行わない理由の一つとして、金が「一市民として論文を発表した」事実を挙げていると解される。だが、この宮部常務の見解は、そもそもこの私への「厳重注意」の根拠として会社がそれまで主張してきた、「金が岩波書店社員であることを知っている人間は一部にいるのだから、「個人としての立場」と「社員としての立場」を区別することはできない」などという見解と完全に矛盾している。会社は、宮部常務の上記発言は正当なのか、また、正当であるならば、「「個人としての立場」と「社員としての立場」を区別することはできない」という会社見解と矛盾していないのか、見解を明らかにされたい。
 また、これと関連して、岡本厚編集部副部長は、「『世界』編集長」の肩書きで『詩人会議』2007年7月号に発表した文章「「美しい言葉」が人々を死へ」において、「戦後六〇年も過ぎた頃になって、座間味島の守備隊長だった元少佐らが、岩波書店と作家の大江健三郎氏を相手に名誉毀損の裁判を起こし、被告側の一員としてその裁判に関わるようになって初めて、自決の場の情景が目に浮かび、そこに追いやられた人々の恐怖、苦しみ、呻き、悲しみの声が聞こえるようになってきた。以下に記すことは、個人としての見解である。」と述べている。このように、「個人としての見解」を明示することは、「「個人としての立場」と「社員としての立場」が区別されることを前提としていると解されるが、岡本副部長のこの見解は妥当なのか、もし妥当だとすれば、岡本副部長の場合は認められるが、私の場合は認められない理由は何なのか、明らかにされたい。

これらの諸点について、株式会社岩波書店が私に対して、3月25日(木)16時15分までに回答することを求めます。>


その後、3月25日夕方に、小松代総務部長と宮部常務に呼び出され、会社の1階ロビーで会社見解を文書で渡された。以下のとおりである。


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金光翔 殿

2010年3月18日付の申入書について以下のように回答します。
今回の申し入れの内容は、現在、民事訴訟で係争中であるので、会社としては申入書にお答えすることは適当でないと判断します。

2010年3月25日
取締役総務部長
小松代和夫
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どうだろうか。私は呆れてしまった。言うまでもないが、私の質問への回答は、「民事訴訟で係争中」などなんの関係もなく答えられるものである。そもそも、『週刊新潮』記事の「岩波関係者」が岩波書店社員であったという事実を新潮社側は認めているのであるから、この点に関しては争いはないのである。岩波書店が、従来の主張の前提が崩れたのであるから、新しい前提で回答すべきことは自明であろう。また、もし2007年12月5日の私への「口頭による厳重注意」が、私への「嫌がらせ」でなかったのであれば、岩波書店は堂々と、別の社員の名誉を毀損する発言をしようが個人情報を暴露しようが「社員が取材に応じるのは自由である。」と答えられるはずである。

岩波書店が、私の質問にまともに答える気がなく、理由にならない理由で言い逃れをしようとしていることは明白であろう。人を舐めた態度というのはこういうものだ、という見本のような回答である。

岩波書店にまともに答える意志がないことは明白だが、一応、この回答に関する私とのやりとりが存在する。以下、見てみよう。


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金:なぜ係争中であれば回答できないんですか?

小松代:それについてお答えすれば、ここに書かれてあることが会社の回答のすべてです。

金:いや、ここに質問していることがいくつかありますよね。

小松代:ですからそれがすべてです。

金:それ以上は一切答えられないということですか?

小松代:ここにそれがすべて書かれてあります。

金:だから、それ以上は答えないということですか。

小松代:いえ、答えないということではなくて、これがすべてということです。

金:同じことですよね。

小松代:どうとるかは知りませんが。

金:係争中だから回答できないということは、終結したら回答するということですか?

小松代:それはまたその時の話で、この段階ではこの回答がすべてです。

金:でも、この文書は係争中だから回答できないって言ってるわけですよね。当然、それが終われば回答できるということになるんじゃないですか。

小松代:それについてはここでやりとりする中身ではないと思っています。

金:いやいや、係争中ということを理由としているわけですよね。じゃあ、終わったら答えるということになるんじゃないですか。

宮部 いや、そんなことは言ってませんよ。それはそのとき考えます。いま答えられるのはこれがすべてです。

金:逆に聞きますが、なぜ答えられないんですか?

小松代:(質問をさえぎるように)あれがすべてです。あれがすべてです。あれがすべてです。

金:なぜ係争中であれば回答できないということになるんですか?

宮部:それはそちらで判断してください これがこちらの言えることのすべてですから。

金:判断してくださいというのは?

宮部:こちらが回答する必要はない。すべてというふうに申し上げているわけですから。

小松代:ですから文書に書かれているとおりです。
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文章化しながら改めて馬鹿馬鹿しく思うが、「官僚答弁」の見本のような答弁である。少しは恥の感覚はないのだろうか。こんな答弁で会社は逃げられるつもりになっているようなので、この場を借りて晒しておこう。

いずれにせよ、岩波書店が、『週刊新潮』記事に岩波書店社員が積極的に関与している事実が明らかになっているにもかかわらず、そのことを放置し、再発防止のための是正措置すら拒否していることは明らかであろう。しかも、裁判が終結すれば何らかの措置をとる、ということすら明言しないのだから、これでは事実上の容認である。会社が、『週刊新潮』記事を理由として、私に対して「厳重注意」を行なったことを社内で各部署ごとに周知徹底させたこととの違いには改めて驚かざるを得ない(「岩波書店代表取締役社長・山口昭男氏と佐藤優」の「(注)」参照) 。どこまで倒錯しているのだろうか。

私への「厳重注意」は『週刊新潮』記事や岩波書店労働組合による嫌がらせと完全に同じタイミングで出されているから、会社は私が辞めるとばかり思っていて、外部に漏れる心配などないと思っていたがゆえに、さらなる追い討ちの嫌がらせとして出してきたのではないか、と私は推測している。
これが嫌がらせでなかったのならば、私が出した質問に答えられるはずだと思うのだが。会社の無内容な回答や官僚答弁は、私の推測の正しさを裏付けるもの、と言えるように思われる。


(金光翔)
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[ 2010/04/27 00:00 ] 未分類 | トラックバック(-) | コメント(-)


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